2012年御翼7月号その2

『日本文化もとをたどれば聖書から』


 先週、ルーテル学院大学の上村准教授のお招きで、文化史の講義の聴講に行ってきた。その日招かれていた講師は、杣(そま) 浩二氏で、以下の経歴をお持ちである。
(株)サンビルダー代表取締役
1951年生まれ、70年安保、元学生運動家、18、19歳で2度の倒産経験、20歳で不動産業企業。
70カ所のマンション賃貸業に専念、東京キリスト教学園 顧問、神戸バイブルハウスオーナー
 日本のクリスチャン人口比率0.9%というのは世界最低の率である。かつてはマレーシアかタイだったが、仏教国であるタイでも今やクリスチャン人口は2%を超えているという。しかし、神は一番弱い者を用いられる。人間を誇らせないためである。日本にクリスチャンが少ないのは、これまで宣教師や牧師がさぼっていたからではない。神がご計画をもって(信仰を)隠されていたのではないかと杣氏は言う。
 なぜそう言えるかというと、6千年の歴史の中で、日本文化の中心を造ってきたのは聖書であることが分かってきているのだ。この研究はもともとユダヤ人が始めたものである。日本は鎖国時代も、オランダやポルトガルとの交易はしていた。その中に、ユダヤ系のオランダ人などがたくさん長崎に来ていた。そして、日本の文化を見て、何かおかしい、と感じた者がいた。そのことを英語で本にすると、イスラエル人や米国人、日本人牧師などが研究された。そして日本でも佐伯好郎教授(景教―キリスト教ネストリウス派―研究の世界的権威)が、京都の蚕(かいこ)ノ社(のやしろ)などがキリスト教の遺物であると結論づけ、東京大学から博士号を取得した。また、イスラエルのコーヘン元駐日大使も神道はユダヤ教だと言われた。これだけ資料がそろっていても、戦前は日本の特別高等警察(秘密警察)が、戦後は防衛省の民間情報政策により、こういう話を広がらないようにしていた。ところが、これが打ち破られたのは、2007年にテレビ東京でみのもんたが放映した「超不思議歴史ミステリー」である。それ以来、古代イスラエル、聖書と日本との関係についての流れが変わり、秘密にしていたことを教えてくれる人が出て来たのだ。
 例えば、相撲(へブル語でシュモー=彼の名を)は、神の使いと相撲をとったヤコブを指す。「ハッケー・ヨイ・ノコッタ」は、投げろ、やっつけろ、打ち倒せというヘブル語である。天狗は修行するユダヤ人、虎の巻はトーラー(モーセ五書)の巻物である。正月三が日に飲むお屠蘇(とそ)は、「屠(ほふ)られ(殺され)3日目に蘇(よみがえ)った(生き返る)イエス。」そして、蘇我馬子(そがのうまこ)(仏教の擁護者)は、「我は蘇った馬小屋の子(ヨハネ11:25「我は蘇りであり、命である」)のことである。
 日本人のDNAを調べると、韓国系のDNAを持っている人が24%、中国系が26%、沖縄が16%、アイヌ8%、ヨーロッパ系(インド・ペルシャ・アフリカ)が26%である。日本は混血国家であり、古くから様々な人種が来日していたことが分かっている。神社には獅子の石像があるが、ライオンは日本、韓国、中国、インドにもいない。アフリカにしかいないライオンが、古代日本からある神社の入り口に座っていることに「違和感」を感じない私たちの鈍感さを知る必要がある。獅子はユダ族の紋章であり、赤く血塗られた獅子がパクパクと人を噛み舞ったら縁起が良いとされるのは何であろうか。血に染まったユダ族の方とは、イエス・キリストのことであろう。
 ユダヤ人の先生は、ソロモンの時代(紀元前千年)から、インド、中国、東南アジアにユダヤ人コミュニティがあったと言う。そこで杣氏が調べてみると、香港歴史博物館には、4千年も前の古代人が、帆をつけた双胴の船で日本と朝鮮を行き来し、アフリカまで航路があったという資料を見つけた。日本は古代から世界とつながっていたのだ。
 杣氏は、神さまは私たちが教理を他文化の人たちに押し付けるのではなく、神と人を愛すること、敵をも愛するイエス様の愛を行動に移したいのだという。クリスチャンは、仏教徒を偶像礼拝者、神道を悪霊崇拝だなどといって責めてはならない。そのような態度を悔い改め、互いを尊重し、愛を実践しなければならない。そして世界平和を実現し、その中でこそイエス様の証しをすべきなのだ。そのために、最も弱い日本人クリスチャンが用いられることを期待しよう。

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